ティーダの故郷
スピラの世界では1000年も前に滅んだ都市とされているザナルカンド。
その一方でティーダが平和に暮らしていた世界は夢のザナルカンドと呼ばれます。
FF10の世界観の中心とも言えるのが、この夢のザナルカンドとそこに暮らしている人たちの正体です。
よく勘違いしやすいのが
『ティーダはタイムスリップしてスピラ(過去)にやってきた』
『夢のザナルカンドとスピラは繋がった2つの世界』
といった感じですかね。後者に関しては全くの間違いではありません。
が、正確に言えばそもそも夢のザナルカンドというのは場所ではなく、作り上げられた存在です。
エボン=ジュと祈り子の夢
スピラでは召喚師も非常に特殊な能力者なのですが、その前に重要なのは召喚に必要な要素。
FF10の召喚を公式で表すと
『祈り子の夢』+『幻光虫』×召喚士=幻光虫で構成された実態(夢)
といった感じになります。
これではまだちょっと分かりにくいので1個ずつ整理してみましょう。
祈り子様
祈り子と呼ばれるのは肉体ごと眠りについて『夢』を見続けている存在でスピラ各地の寺院に眠っています。彼らは儀式によって召喚士に新たな力(召喚獣)を授けてくれる存在です。
しかし、この祈り子達は寺院だけではなく他にも沢山存在しています。(後述)祈り子は召喚士にとっては偉い人たちなので、よく尊敬語で祈り子”様”と呼ばれます。
幻光虫
幻光虫はスピラに存在する祈り子の夢を召喚した際に、その存在を構成する不思議なエネルギーを持った虫です(ほんとに虫かどうかは別ですwエネルギー体という見方も出来ます)
ですから、ユウナやシーモア、過去のブラスカなども含めて召喚士というのは幻光虫の力を借りて祈り子の夢を具現化する能力を持っているという事になります。
召喚士の秘術
そんな召喚士達の中でも歴史的に最も尊敬されている大召喚士が『エボン』です。
スピラの世界では基本的に『エボンの教え』に基づいたエボン教と呼ばれる教えが広まっており、これは1000年前にザナルカンドの統治者であった召喚士エボンが究極召喚によって機械文明に優れていたベベルを撃退した事に由来しています。
一通りプレイした方であれば分かると思いますが、このエボンこそが『シン』の本体であり、絶対にシンを倒しきれない究極召喚の伝授を続けていた黒幕です。
この絶対に倒しきれない究極召喚をユウナレスカが繰り返し伝授していたシステムこそが、『夢のザナルカンド』の正体でありFF10そのものの核心部分になります。
夢のザナルカンドの正体
夢のザナルカンドとは?
元々は戦争によって滅ぶしか道がなかった1000年前のザナルカンドに名残りを覚えた当時の支配者エボンによってガガゼト山の祈り子達の力を借り、さらにエボン自身がシンの核になることによって維持されてきた召喚された世界です。
つまり夢のザナルカンドの成分は幻光虫ということになりますし、ティーダやジェクトを含めた住人、近代化した建物なども全てはエボンが維持してきた召喚です。
エボンがシンを使って文明の進化を止めて、永遠に生まれ変わりを繰り返していたのは、この自分が”理想とするザナルカンド”を維持したかったからです。
元々はエボンも意識を保ったままシンとなっていましたが、ジェクトがそうだったようにシンになったものはその内意識を取り込まれてしまいます。
エボンもあまりにも長い間このシステムを維持していくうちに、現実世界であるスピラよりも自分が召喚している『夢のザナルカンド』を維持することだけにしか生きていけなくなります。
しかし、ジェクトという夢のザナルカンドの住人が新たなシンとなったことによって今まではスピラに無関心だった祈り子達の意識にも変化が起き始めます。
これによってシン=エボン=ジュはティーダやユウナ達によって永久に復活出来ないように倒された訳です。
また、シンが倒されたことによって夢のザナルカンドは消滅し、主人公であるティーダという存在を維持してきたシステムも崩壊してしまった事でFF10のエンディングでティーダも夢のザナルカンド同様に消えてしまいます。